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2024.6.18

こんなに変わった!2024年のインバウンド旅行市場



コロナ渦が終わり、日本のあちこちで、また訪日外国人旅行者の姿が多く見られるようになりました。
でも、コロナ前とは何かが違うと思いませんか? 2024年の訪日外国人のデータを見ると、
私たちが何となく感じていた違いが、データになって見えてきます。
今回はそんなインバウンド(訪日外国人旅行)市場の変化について探求してみたいと思います。

まずは、2024年のインバウンド旅行者数について見てみましょう。



すでに4月までの段階で、訪日外国人旅行者数は約1,160万人。対前年比では172%!の伸びとなります。このペースで行けば年間3,000万人の大台を超えるのは確実で、コロナ前の水準を上回ることになりそうです。全体数で見れば、コロナ渦で減った訪日外国人市場は完全に回復したと言えるでしょう。

しかし・・・かつてのように大きなショッピングバッグを持って、「爆買い」している中国人観光客の姿をあまり見なくなったと思いませんか?まずはコロナ渦前、2019年の国別来訪者数を見てみましょう。


※出典:JNTO(日本政府観光局)

訪日外国人の中では「中国」がダントツのトップ(約960万人)。2位の韓国(約560万人)、3位の台湾(約490万人)に対し大きな差をつけています。訪日外国人の3分の1は中国人だったので、全国的に目立っていたわけです。この国別シェアが、2024年にはこんなに変わっています。


※出典:JNTO(日本政府観光局)

なんと、コロナ渦前に首位だった中国は3位に後退(約88万人)。1位の韓国 (約168万人)と2位の台湾 (約99万人)が上位になりました。数字で見ても、訪日外国人に占める中国人の比率は約半分に。「中国人が減ったように感じた」のは、事実としてデータにも表れています。

では、なぜ中国人旅行者が減ったのでしょう? 最大の障壁は、ビザ取得が難しいことにあるようです。中国人が日本に旅行するには5種類のビザのうち、いずれかの取得が必要になるのですが、現在、実質的に解禁されているのは「高額所得者向けの5年マルチビザ」のみ。中流以下の庶民層は日本への旅行が事実上不可能なんです。


▲日本が発行する中国人観光客向けビザ

このようなビザの問題に、さらに中国国内の不動産不況の問題や旅行コストの上昇といった問題が重なっており、本格的な中国人の海外旅行の解禁は2026年以降と推測されています。万一、中国付近で地域紛争などが起きたら???さらに回復は遅れてしまいますから、そうならない事を祈りたいものです。

さて、アドパブリシティは代表が元・広告代理店のマーケティングディレクターとして長年にわたって旅行市場を業務領域としていたことから、地域のインバウンド市場開拓業務のお手伝いもしています。



今年度は、岐阜県恵那市にある3つの「道の駅」で、地元の特産品「寒天」を活かしたスイーツを開発。パンフレットなどの販促物は弊社で制作しました。また秋季には、下呂温泉で新たなインバウンド・コンテンツ開発とツール制作をお手伝いする予定です。これまでに得たナレッジを活かし、デザインから・・・だけでなく、コンテンツの開発からスタートする業務も増やしていきたいと考えています。

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