こんにちは。みなさんの中には、デザイン会社がどんなことをしてくれるかがよくわからず、問い合わせることを躊躇している方はいませんか?
印刷会社の場合は、「印刷物を作る」というわかりやすい業種であることに比べ、デザイン会社は、「デザインする」という具体的に何をしてくれるかイメージしにくい業種です。
ですのでここでは、「デザインする」とは何かを、そのプロセスを紹介することでイメージをつかんでいただこうと思います。
はじめに:デザインプロセスの重要性
デザインは単に美しいビジュアルを作ることではありません。それは、特定の目的を持った課題解決のプロセスです。
そのためには、しっかりとしたデザインプロセスを踏むことが必要で、デザイン会社は、アイデアを形にし、効果的な結果を生み出すための道筋を提供します。
このプロセスを実践することで、クリエイティブな混乱を回避し、プロジェクト全体の効率と品質を向上させることができます。
ここでは、「Webデザイン」「グラフィックデザイン」「動画制作」「展示ブースデザイン」といった、幅広い分野におけるデザインプロセスをお伝えします。
企画フェーズ:アイデアを形にする最初のステップ
優れたデザインのスタート地点は、綿密な企画フェーズです。この段階では、プロジェクトの目標やターゲット層を明確にすることが重要です。
ターゲットユーザーが誰で、どのような課題を解決する必要があるのかを具体的に定義することで、デザインの方向性が決まります。
Webデザイン
集客ターゲットを考えて、ユーザーの行動を促す直感的なUI/UXを考える必要があります。また、ターゲットに応じたメッセージのトーン&マナーのほか、ブランドイメージや求める視覚的なインパクトに配慮して、キービジュアルをどうするかを決めることが重要です。
グラフィックデザイン
配布ターゲットを考えて、どういった印刷物(印刷形態)にするか、印刷部数を考える必要があります。また、ターゲットに応じたメッセージのトーン&マナーのほか、ブランドイメージや求める視覚的なインパクトに配慮して、キービジュアルをどうするかを決めることが重要です。
動画制作
集客ターゲットを考えて、どういったメディアを使用するか、配信方法にするか、どのくらいの尺にするかを考える必要があります。また、ターゲットに応じた動画構成をあらわすストーリーボードを作成し、視覚と音声の融合を図ることが重要です。
展示ブースデザイン
小間割りから集客動線を確認し、展示会ターゲット・出展テーマに考慮しながら、空間の利用効率や訪問者の体験を最大化する計画が求められます。
上記以外に、競合分析や市場リサーチも欠かせません。競争の激しい市場で差別化された価値を提供するデザインを生み出すことが重要になります。
この段階での準備が、後のプロセスをスムーズに進めるカギとなります。
デザイン作業:具体化するプロセス
企画フェーズで定義したアイデアを実際のデザインとして形にする段階です。この段階では、取り扱うメディアに応じた具体的な作業が異なります。
Webデザイン
ワイヤーフレームを作成し、ページ構成やユーザーフローを明確化。その後、プロトタイプを制作し、カラーパレットやフォント選定、インタラクションデザインを取り入れます。
グラフィックデザイン
スケッチやラフ案を作成し、配色やタイポグラフィやビジュアル要素を組み合わせたデザイン案を練ります。カタログなどのページ物では、ページ構成やフォーマットデザインが重要になります。印刷物の場合は解像度やカラーモードなど、画像の印刷最適化も行います。
動画制作
ストーリーボードの作成を基に、撮影計画やアニメーションの制作を進めます。編集段階では、音楽や効果音、テキストアニメーションを追加して全体の完成度を高めます。
展示ブースデザイン
設計図や3Dモデリングソフトを活用して、空間のデザインを視覚化します。素材選定や実際の施工計画も同時に進めます。
上記のプロセスでデザイナーは、Adobe Creative SuiteやFigma、Blenderなどを使用して制作を行います。
フィードバックと修正:品質向上のカギ
デザインの完成度を高めるためには、フィードバックを得ることが不可欠です。チーム内スタッフやクライアントからの意見を取り入れることで、デザインのクオリティが向上します。
このときに、具体的で建設的なフィードバックをもらうため、デザイナーにはコミュニケーションスキルが欠かせません。
Webデザイン
ユーザーテストを実施し、使い勝手やナビゲーションの改善点を洗い出します。
グラフィックデザイン
修正案を提示し、クライアントと共に最適なデザインに仕上げていきます。
動画制作
試写を行い、タイミングや映像効果、音響の調整を行います。
展示ブースデザイン
3Dモデルを用いてシミュレーションを行い、来場者の動線や視覚的な効果を確認します。
また、複数回の修正を経てデザインが完成に近づく中で、チーム間のコラボレーションも行います。コラボレーションツールを活用して、作業効率を高め、全員が同じゴールを共有できるようにします。
完成と納品:成果を形にする最後の一歩
デザインが完成したら、いよいよ納品の段階です。このとき、納品物の形式やクライアントの要望に応じた最終調整を行います。
Webデザイン
最終的なコーディングやSEO最適化を行い、サイトを公開します。
グラフィックデザイン
印刷会社への入稿データを作成し、ご要望に応じて色校正を出力し、色の確認します。
動画制作
適切なフォーマットでデータをエクスポートし、使用するプラットフォームに合わせて調整します。
展示ブースデザイン
実際の施工チェックや、必要に応じてイベント当日のサポートをします。
納品後、デザイン会社は納品物に対するフィードバックの受け入れたり、継続的にクライアントをサポートしたりします。可能であればプロジェクトの振り返り時間を設け、次回以降のプロジェクトに活かせる教訓をまとめることをおすすめします。この振り返りが、デザイナーの成長を促し、より高品質な成果を生み出す原動力となるからです。
まとめ
Webデザイン、グラフィックデザイン、動画制作、展示ブースデザインなど、どの分野でもしっかりとしたプロセスを構築することで、効率的で高品質なデザインを実現できます。
ここで紹介した各フェーズのポイントが、あなたのプロジェクト運営の参考になれば幸いです。