こんにちは。古川(CD)です。
このたび、弊社コピーライター・山中彰が、全国がん登録制度に関するデザインやコピーを公募する「サンキューバトンアワード—全国がん登録・統計広告賞—」(国立がん研究センター主催)のコピー部門において金賞を受賞しました。
今回のブログでは、受賞の経緯や作品の意図について本人に語ってもらいましたので、ぜひ最後までお読みください。
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初開催の「サンキューバトンアワード—全国がん登録・統計広告賞—」優秀作決まる
――金賞受賞、おめでとうございます。
山中:ありがとうございます。
――「全国がん登録制度」とはどういったものですか?
山中:全国がん登録は、日本でがんと診断されたすべての人のデータを国で一括して集計・分析・管理を行う仕組みです。2016年1月からスタートしました。一人ひとりの正確なデータを把握することで、生活習慣とがんの関係性や、がん患者の地域傾向を明らかにし、希少がんの研究や治療法の開発などに役立てられます。今回の課題は、この制度の一般認知と理解浸透を図るというものでした。
――受賞作品「データは、エールになる」の制作意図は?
山中:がん患者の登録、ひいては闘病や、生きてきたこと自体が、どこかで誰かを支える力になっているというのがコンセプトです。がん登録は任意ではなく、義務です。自分の個人情報が自動的に登録されることに不安感を抱く人も少なからずいるだろうと思い、そのような人たちにもこの制度の意義が伝わるよう前向きな言葉を探しました。また、制度自体が複雑かつ新しいものだったので、一言ですべてを説明しようとするのではなく、まずは漠然とでも良いイメージを持ってもらうことを目的に、取り組みの旗印となるシンプルな表現を選びました。
――授賞式はいかがでしたか?
山中:授賞式は国立がん研究センターにて終始厳粛な雰囲気の中、執り行われました。がん対策関係者の方々や患者会の方のお話から、がん医療の発展にかける熱心な想い、そしてこの制度に込められた期待感がひしひしと伝わり、言葉を提供するコピーライターとして非常に身の引き締まる思いでした。
――その他の受賞歴は?
山中:50年以上の歴史を持つ日本最大規模の公募広告賞、宣伝会議賞にここ数年取り組んでいます。昨年の第53回ではファイナリストノミネートと、協賛企業賞受賞を果たすことができました。さらに上を目指すべく継続して挑戦中です。その他にも雑誌の企画や単発のコピー賞などにも時間の許す限り参加しています。日々の実務とは別に公募賞で頭を使うことが自分にとっては良き発想のトレーニングとなっている気がします。
――公募賞に応募するときに気を付けていることは?
山中:数を書くことと、誠実に書くということです。これは仕事でも同じことですが、課題に対してあらゆる角度から考えを深め、とにかくたくさん切り口を出す過程こそがいいコピーを書くためには大切なことだと思います。私は数を出すことがまだまだ苦手なのでこの点はよく意識するようにしています。また、それと同時に無責任なことを書かない、嘘を書かない、デリカシーのないことを書かないということも常に心に留めています。受賞を狙おうとするとつい表面的な言葉の奇抜さばかりに偏りそうになります。しかしそこをぐっとこらえ、公募賞とはいえ実際の仕事と同じくらい誠実な姿勢で課題と向き合う。そう習慣づけることで、コピーライターとして力を積むことができるのではないかと考えています。
――これからもアドパブのホープとして頑張ってください。
山中:ありがとうございます。